フェイスコントロールその1
 
     
 スキーが斜面を滑り落ちる際、スキーの長さの方向(縦方向)とスキーの幅方向(横方向)の2方向があります。器に入った水の表面とスキーを重ね合わせてください。斜面にスキーを履いて横向きに立つとスキーは縦にも横にも滑りません。(水がどの方向にも流れない状態と同じ。絶対水平面) 器を傾けて水が流れ落ちる方向は低い方(斜面の下方向)です。水の入った器を傾けるのと同じようにスキーの滑走面を低い方に傾けるとその方向にスキーは滑っていこうとします。それがフェイスコントロールです。それを身体の重みを活用し(体幹部主動)行います。
 谷脚を主体(内脚主導)にフェイスコントロールするとスキーは横ズレを起こしながら下に向かって滑り落ちていきます。捻ったり、押し出したりしなくても放物線を描いて滑り落ちていきます(谷回り)。
 滑走面が雪に平らになると横方向にスキーは滑り落ちなくなりますが、スキーが回り続けようとする力(慣性)が働きます。フォールラインを過ぎると今度は器を傾けて水の流れる方向は反対側になります。仮に左脚が低い方にあるとしてフェイスコントロールにより左方向(左回り)に滑りおりていく(内脚主導局面)と途中から器を傾けて水が流れ落ちる方向はターン外側に変わります。ターン後半はターン外脚を主にしてフェイスコントロールすることになります。(外脚主動局面フェイスコントロールによりズレ落ちる量、方向(スピード、回転弧)をコントロールすることになり常にフェイス(滑走面)を緩める調整(フェイスコントロール)によりターンが持続していくことになります。ズバリ脱力な訳です。             

第16回