第4回 「2本の軸」
     

前回はインとアウトの角付けについてお話ししました。
では二つの角付けの軸をどのように使えばいいのでしょうか。
例えば、貴方が今右足で立っているとします、左足に体重を移す為にはどうすればよいでしょうか。
左足を伸ばす、左に体を傾けるいずれも左足に体重は移動します。
それでは体重のかかっている右足を曲げてみてください。
その際曲げる右足より左足に力を入れていると右足の曲げた分だけ左足に体重がかかります。
切り換えでは外脚から外脚に荷重移動するのではなく、外脚で受けている側圧(体を外側に引っ張る力)を利用して、内傾している外脚のインサイドエッジの軸をおこして小指の付け根のあたりにアウトサイドエッジの軸(内スキーのアウトサイド)を立てるように体を移動させていきます。
スタンスを利用するとすでに外脚にはインサイドの軸が用意されています。
外から外に荷重を全て移し替えるのではなく側圧に対して必要な分だけ内足を曲げていくことで外脚に荷重を分散させていきます。
常に内と外の2本の軸で側圧と拮抗したバランスを保っていくのです。
スキーを回すのではなくスキーが回るポジション作りです。
そこで必要になる上体の向きや使い方は次の機会にします。